THE BLOG

スポーツとか色々書きます

続・アスリートの責任

先日お伝えしたスノーボード強化指定選手の活動停止の続報があった。

調査の結果、複数人の活動再開を認めるとのニュースが昨夜あり、

親交のある選手からは、活動再開が認められました。ご心配をおかけして申し訳ない。との連絡があった。

心配はしたが、謝ることではないよなと思いつつ、お互い前向きな言葉で締めた。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

その後何人かの選手からも同様の連絡をもらった。

 

しかし、ある競技の選手はぶっつけで12月に行われるワールドカップ開幕戦、第2戦に挑戦しようとも思ったが、登録や移動、など物理的な事情でやはり断念したとのことだった。

正直無念で、悔しい、当事者は計り知れないくらい悔しい思いをしただろう。

 その中で選手たちは本当に前向きに取り組んでいる。

心底リスペクトする。

 

前回も書いたが、何も辞職する事だけが責任の取り方ではないと思っている。

が、この選手たちの憤りは選手たち自身でしか拭いきれないのかと思うと本当に心が痛い。

ただ言えることは、連盟の偉そうなおっさんたちが辞めようがそれだけでは彼らにとってマイナスでしかないという事だ。

 

超縦社会がはびこる日本スポーツ界において、派閥における縦社会が全てだ。

そしてできれば誰も責任も取りたくないから、アクションも決断もしない。

まるで無能ばかりが集まる役所そのものだ。

多くの競技の連盟が実際そんな状況だ。

 

唯一の希望は偉そうなおっさんたちが辞めた場合、このような事態が起きないように選手を支える組織づくりを目指している熱意のある人材がスキー界にはいるという事だ。

例えばアルペンスキーで世界と戦い続けた、皆川健太郎さんや、その奥様でもおられる、モーグル界を長年引っ張ってきた上村愛子さん、長野オリンピックで日本中を感動させた日の丸飛行隊の面々。

現役の選手からも、引退後は選手を支える環境つくりに専念するつもりだと意思を表示している声を良く聞く。

ただ、現状は彼らのような実績も人望も行動力もある人材がいるにも関わらず、既得権に浸かり、今回のような事態を引き起こした老害(とはっきり言おう)がのさばっているのだ。

これは何もスキー界だけではなく多くのスポーツ協会、連盟で起きているのだ。

日本スポーツ界の闇は深い。

しかしその老害たちを見て育った選手たちが立場を変え、

スポーツ界を明るく照らす未来もそう遠くはないと信じている。

そうでもなきゃこんな環境で必死になってきた元選手や現役選手が報われない。

アスリートの責任

先週末とんでもないニュースがウィンタースポーツ業界に飛び込んできた。

 

スノーボード 不祥事ですべての強化指定選手の活動停止 | NHKニュース

 

未成年のスノーボード強化指定選手が相次いで大麻、喫煙、飲酒などの不祥事を起こした事で、第三者委員会の調査を始め、他の選手もそれら不祥事に関わっていたとして、全日本スキー連盟スノーボード部の全強化指定選手(現状の日本代表)の活動を停止することを決めた。

 

身の潔白が証明できれば、改めてワールドカップなどへの参加や合宿、遠征に参加できるらしい。

 

詳しくは上記URLをご覧いただくとして、率直な意見はふざけるな。だ。

 

全日本スキー連盟スノーボード部にはハーフパイプアルペンスノーボードクロスの3競技があり、仕事上関わりのある各強化指定選手から、急遽今シーズンのスケジュールが大きく変更されたこと、ワールドカップを戦えない不安、不満、憤りの報告メール、連絡をいただいた。

 

スキー連盟の偉い人たちは、選手の不祥事や更生を含め自分たちに責任がある。

と、明言している。

 

私の個人的見解だが、ここで、トップなどが辞職することは今後な調査、二次発生の抑制などに時間がかかるため、今すぐ辞職しろとは思わない。が、今回の件をしっかり解決させ、このようなことが起こらないよう最大限の努力をした後、辞職をもって今回の責任を取るべきではないだろうか。

 

なぜ、関係のない(とは言い切れない部分ももちろんあるが)選手が貴重なシーズンを棒に振りかねないことになるのか。

 

全くもって意味がわからない。

 

強化指定選手を選んだのは一定のルールに基づいているとは言え、連盟側だ。

 

なのに選手の活動を制限することである種の社会的制裁を加えつつ、身の潔白が証明できるまで活動はさせないと。

 

なんだそりゃ?

 

オリンピックは2018年の初頭だ。

2017年の活動が非常に重要になる。

 

浅はかな行動をした該当の選手、関与した人間は重い反省が必要だと思うが、他の選手にまでその影響が及んでしまう必要があるのだろうか?

それとも、それだけ広く問題が蔓延していることからくる危機感なのだろうか?

 

何れにしても今回の判断、対応は選手にとって最悪の事態と言えることは間違いない。

 

こんな事しているスポーツに今のところ明るい未来はない。

 

しかし、一連の不祥事を起こした団体の上層部は今の所、責任を取るつもりも見えない。

その全てを選手に被せた判断、対応、それによる甚大な損失の責任を取るつもりも無さそうだ。

 

信用、信頼、成績を取り戻すのは結局のところ今回一番の被害者とも言える関係のない(と、言い切れない部分ももちろんあるが)選手達だ。

 

それでも個人的に連絡をくれた選手達は皆一様に前を向いている。

 

少なくとも12月に行われるワールドカップ2戦には出れない見通しだと言う。

 

貴重な世界トップレベルでの戦いの舞台を奪われたにもかかわらず、受け止め、それでも結果を出してオリンピックに1人でも多くの選手が出場し、今回迷惑や心配を掛けたみんなに少しでも何かを返せたら、、、と言う。

 

これが私たちができる精一杯のことですと。

 

スキー連盟のおっさん達の言動と比べて欲しい。

 

こんな選手達だから俺は応援したい。

 

 

 

アスリートとして飯を食うという事

headlines.yahoo.co.jp

 

また一人の将来有望なアスリートが、既存のシステムから先の世界へと歩みを進めることとなりました。

有名スポーツメーカーの契約アスリートという立場を捨て、プロアスリートになるそうです。

 

個人的にはこのチャレンジをすごく賞賛したいです。

 

リオ五輪の100m×4で銀メダルを獲得した実績と、将来性から、大きなアクシデントさえなければ東京五輪まではスポンサー収入が途切れることはないでしょう。

 

しかし、契約アスリートとして、世界的有名企業の一員として生き続ける方が、人生の安定面からいえばメリットはあるかもしれません。

しかし、自身の市場価値が高く、これからさらに上昇するときにより高い報酬を獲得しに行くというのは決して「お金」目的ではなく、優れた挑戦なのではないでしょうか。

 

実際、契約アスリートとしてでも、プロアスリートとしてでも、大きなけがなどの不慮のアクシデントが起こってしまったら祖の立場が大きく揺らぐことは否めません。

より広い社会を知り、自身で今後接していくスポンサーを見つけに行く(チームとしても含め)ことは選手としてトップカテゴリーで活躍することがなくなったとしても非常に役に立ちます。

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

かたや、世界のトップレベルで戦い結果を出し続けているアスリートですら、競技や種目によっては厳しい生活を送っています。

 

もちろん、簡単な道ではないですが、その覚悟を見て、さらに多くの賛同者や支援者が集まるのも事実です。

日本のトップアスリートにはどんどん「プロ化」に挑戦してもらいたいと思うと同時に、そんなプロアスリートをサポートしやすい環境をどんどん作っていきたいと強く思います!!

アスリートをサポートする取り組みは?それはアスリートのためになっている?

散々、アスリートはもっと自ら生活力を身に着けるべきだ!!

と言っていましたが、海外で生活するとなるともちろんサポートは必要です。
むしろコンテンツ力を高めることで、サポートを受けやすいアスリートになっていくべきであると考えています。

 

では実際にアスリートが高い志を持って、どんなサポートを受けることができるのかと思ったときに享受できるサポート体制について考えたいと思います。

 

まず代表的なものはNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)、JISS(国立スポーツ科学センターですね。JISS、NTCは隣接しており、日本オリンピック委員会に登録している競技団体の強化指定選手が主に利用資格を持っています。

医学的な研究、リハビリ、強化など、あらゆる面で国内最先端の要素が詰まっており、多くのトップアスリートが拠点に利用しています。

練習場やトレーニング施設、宿泊施設、食事とすべてが無料というわけではないですが、選手の負担は決して多くはありません。

別の側面で言うとアスナビも多くのアスリートを支えています。
企業とアスリートを繋げることを目的としてJOC日本オリンピック委員会)が始めました。
簡単に言えばアスリートの就職支援ですね。
なので、プロアスリートを生むわけではないですが、賛同する多くの企業が、アスリートの意向を理解し、アスリート活動を優先した勤務内容を提示しているとアスナビで就職したアスリートからよく話を伺います。

代表的な部分で言うとこの2点があげられます。

もちろんまだまだありますが、機能性、享受率の観点からいうと、その他の取り組みが大きな成果を上げているかと言えば、上記2点に比べれば疑問点が多いのが現状です。

しかし、アスナビに関していうと、スポンサーとは違い、あくまで社員という事、また、プロモーションはと言えばせいぜい自社のCMに出演するくらいなので、アスリートが「安心」こそすれど、より強く!よりよい環境を!という意思はなくなっていくように見えます。

日本は昔から企業、実業団スポーツがメインとなっていたため、どうしてもプロアスリートというと、お金のイメージがちらつき、決してクリーンに見えるとは言い難い雰囲気がありますが、スポーツが文化として発展していくには、アスリートがより良い環境で、より高いレベルを目指していく活動が必要になっていると感じます。

また、各競技の協会や連盟などが、それぞれ多くの実戦の場を作り、コンテンツ力を高め企業の賛同を得ることで、賞金を設定し、アスリートが賞金を獲得し、企業への認知度を高める活動をしなければならないと思います。

スポーツの現場にいながらも、「来週○○の日本選手権だよ?」とか、「今月○○のジャパンカップだね。」なんて言われることが多々あります。

私の情報収集力の低さも原因ではありますが、慌てて調べても、欲しい情報、サイトに行きつかないなんてことはざらです。
ましてやそれがオリンピック競技の日本1位を決める大会であってもです。

つまり、協会、選手それぞれが自立した運営、生活ができていないことが多く、いくら、トレーニング施設を充実させても(他のスポーツ先進国に比べたらはるかに少ないですが、、)、就職支援をしても、根本的な土台ができていないように思います。

企業に就職するのではなく、アスリートがアスリートとしての生活をアスリートとして送ることができる環境づくりこそが重要なのではないでしょうか。

一般企業がアスリートを一人雇用する際にかかる費用を大会の運営費と賞金に充てることができたら。。。

魅力ある大会にして、露出を増やして、コンテンツ力を高めて、アスリートには賞金獲得のチャンスと実戦の経験を増やす・・・。

マラソンはある程度機能しているように思いますが、収益は参加者から取っていますからね。まぁそれもありです。

卓球の選手や、バドミントン、レスリングの選手がリオ五輪ご、かなりメディアに登場していますが、来月○○の試合があります!ぜひ応援してください!とかっていう選手を見たことないし、かなりウェブをチェックしているけど、各競技の試合情報などが流れてくることはほとんどありません。

あれだけの社外現象を起こしたラグビー界もいまや・・・って感じですよね。
もっともっと協会、選手が協力して自分たちのコンテンツ力を高めていかなければなりません!

逸材はなぜ海外へ行くのか。

先日、日本サッカー界の至宝ともいえる久保建英君がJ3でデビューしましたね。
チームメートもサッカー誌にて言っていましたが、賛否両論巻き起こりました。

18歳になったらまたバルセロナの下部組織に戻るなんて話も以前からあります。

そんなところ、短距離界の至宝の進路に関するニュースが飛び込んできました。

news.yahoo.co.jp

 

実際にどうなるかまだ未確定ですが、なぜ日本スポーツ界の逸材は海外へ進路を向けるのでしょうか。

それは日本の進路、進学先の環境が、世界のトップレベルに追い付いていないからだとよく言われます。

各国、各競技において、若年層から、質の高いトレーニング環境で、各国から選抜されたアスリートが共同生活などを送りながら切磋琢磨していく環境があります。
サッカーでは先述した久保選手が所属していたバルセロナの下部組織などが有名ですが、自転車ではスイス・エーグルを本拠地とするUCI(世界自転車競技連盟)が運営する最先端の自転車選手養成施設「ワールドサイクリングセンター(WCC)」があります。

WCCは優秀なコーチ陣や設備を備え、世界最先端のトレーニング技術を採用していると言われています。

WCCの目的は、自転車競技がまだ発展していない国々の有望選手を集め、欧州トッププロ界への道筋を作ることにあり、欧州のトップクラスアマチュアレース(ネーションズカップ等)を主戦場としています。

リオオリンピックBMX日本代表の長迫吉拓選手も活躍が認められ、2012年からWCCをトレーニングの拠点として活躍を続けていました。

また、陸上界でも米国にNikeオレゴンプロジェクトがあり、早稲田大学在籍時に箱根駅伝で注目を浴びた大迫傑選手が所属するほか、陸上界のスーパースターが多数所属しています
Nikeとスポンサー契約を結んでいることが条件ではありますが、オレゴンプロジェクトのお眼鏡にかなえば中距離専門ではありますが、世界トップレベルの選手たちとトップレベルの環境でトレーニングをすることができます。

また、欧米では賞金のかかったレースや公式戦などが頻繁に行われており、日本国内に比べて緊張感のある試合経験を多く積むことができるなどのメリットもあります。

どうしても日本国内にいると、学生の間は学生のカテゴリーでの試合が中心となってしまうので、よほどの事がない限り、同世代以外との実戦経験を積むことはできないのが現状です。

 

私は仕事上、各競技の国内レースを観戦することがあり、自転車や陸上などの大会において優勝した選手と話をする機会があります。
その優勝した多くの選手が「調子の上がらない中で、○○選手に先行されたけど○○選手は明らかに飛ばしすぎていた。後半垂れてくることがわかっていたので、落ち着いたレース運びができた。」などの話をしてくれます➡つまり、本調子ではなくても、国内のトップクラスの大会であるにも関わらずライバルの特徴もわかっているから勝てた。という事です。

その結果、世界大会に出て、見知らぬ選手との戦い、雰囲気などに飲まれ本来の力を発揮することなく終わってしまった・・・などの声を良く聞きます。

そうして危機感を持った選手は、「どんな状況でも実践の中で五感を働かせ、タフな環境下でもピーキングを掴み、たとえ調子が悪くても最後の勝負にもっていく感覚を世界レベルの中で研ぎ澄ますことの重要性」を知ります。

しかし、海外でアスリート生活を送ることは国内でアスリート生活を続けることよりはるかに困難です。
自分の実力のみで勝負していかなければならないからです(多少の人脈はあれど)。

この冬、日本バレーボール界の最高傑作と言われている石川祐希選手が海を渡り、短期ですが、世界最高峰のイタリアセリエAに2度目の挑戦をします。

大学生ながら日本代表のエースとして世界を体験した石川選手は、大学ではもはや止められる選手はいないレベルになっていることは明らかです。


そんな石川選手がイタリアでどんな成長を遂げるのか。

国内で競技を続けることは世界で戦うにはもはやハンデ以外の何物でもありません。
その競技で飛びぬけた存在でなくても、もっと挑戦を続けるべきで、その挑戦を支える体制作りが遅れているのが日本のスポーツ界でもあります。

極めて険しいアスリートライフですが、このようなアスリートをサポートする体制を日本国内でどんどん作っていくことも重要です。

アスリートだけではなくスポーツ界全体で危機感を持って取り組んでいかなければならない問題です。

という事で、日本スポーツ界が取り組んでいるアスリートサポートの実情について次回は書いていきたいと思います。

ぶっちゃけプロアスリートじゃなくてもよくない?

結構多いんですよね。この論調。

僕も実際「どっちでもいい」って思ってました。

けれど、そこは日本的な「なぁなぁ」文化と言わざるを得ないと思うんですよ。

実際に「プロ」と明確に宣言していなくても、ほぼプロ(セミプロとはあえて表現しないです。)みたいなアスリートってたくさんいます。

最近だと高梨沙羅選手なんかそうですよね。日体大の学生であり、クラレ所属になってますが、セブンアイホールディングスや全日空のCMバンバン出てたりしてますからね。

おそらく収入で言えば数千万。スキージャンパー高梨沙羅の魅力にスポンサーはつくわけですから、それはもうプロやん。と。

例を出すと錦織圭選手や石川遼選手はわかりやすくもあり、「チーム」に所属しているわけではないので、「プロテニスプレーヤー」、「プロゴルファー」として捉えるとわかりにくい部分もあります。
テニスはプロ登録をしなければ賞金がもらえないですし、ゴルフもプロテストに合格しなければ賞金がもらえません。

錦織選手は日清食品所属ながら、ウィダーユニクロなど多くの有名企業とスポンサー契約をしています。

f:id:masahiro_5959:20161101153716p:plain

石川遼選手も所属はCASIOですが、アサヒビールなどのCMに出てる印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

つまり、多くなくてもスポンサーをつけて、個人なり、マネジメント会社がついて競技生活を行えば「ほぼ」も含めてプロアスリートなんですね。

それに関しては前回のブログでアスリートといろいろ話したのでご覧いただきたいのですが。


やっぱりね。プロになるべきだと思うんです。
競技によってプロの定義は変化するけど、やっぱり錦織選手の活躍を見てテニスする子供が増えたし、石川遼選手の活躍で子供にゴルフ始めさせる親も増えたし。

一般層に露出できるってすごいことなんですよ。

それが実業団だとそうもいかない。いろいろなしがらみもあるし、一社員をCMに出さないところも多いしね。
チームがNikeと契約してるのにadidasのCMには出れないし、会社がPUMAと取引があったら…なんてね。こんなわかりやすいことは実際ないけれど、いろんなパターンが起こるわけですよ。
何よりマネジメントが本職ではない人たちがマネジメントするのもあるし、自社の露出ならまだしも他社の露出に積極的にはならないですもんね。

 

なので「プロ」として所属する会社の意向や景気に依存することなくアスリートとして活動する事はとても大事なことだと思うんです。


とか言ってたら体操界から内村航平選手がプロ転向!なんてニュースが・・。
最近では吉田沙保里選手以来のビッグネームですね。

 

news.yahoo.co.jp



まぁ、レスリング界はプロアスリートへの当たりが厳しいのか、マネジメントがうまくいってないのか、リオ以降あまり見ないですけどね・・。

内村航平選手レベルがプロ転向したとなったら、スポンサーは飛びつくでしょうね。もう今頃ほとんど体制は固まっていると思いますけど。

マネジメントのプロが対応するのと一流企業がほとんどとは言え広報部とかが対応するのとではメディアへのコネクションにも差がありますし、露出と収入は「内村航平選手クラスであれば」格段に上がるでしょうね。

露出に関しては求められているかも重要ですが、本人が望んでいるかも重要なので一概には言えないですが、彼の露出が増えることで、より多くの子供が体操に興味を持ち、第2の内村、白井が出てくる大きなパワーとなることに疑いの余地はありません。

実力があればプロになるべき!ただ、プロはもちろん厳しい世界。
競技力だけではなく、自らのコンテンツ力を高める必要もあります。

 

強くなることはもちろん大事。だけど、自分、競技の価値を伝え、高めることも大事。

そんなアスリートがもっともっと増えてもらいたいものです。

 

「プロアスリート」についてアスリートと話した。

非常に線引きがあやふやなプロアスリートという存在。

そもそも、プロアスリートってどういうことなのか?について、海外でのプロアスリート経験もあるとある選手とお話しできたので皆様にその内容を共有したいと思います。

そもそもアスリートは所属チーム、所属会社、マネジメント会社、などが選手を管理します。

実業団の選手なんかは基本的にサラリーマンです。
業務としてトレーニングや試合に参加します。

普段は仕事をして、チームでトップカテゴリーに参戦しているアスリートもいます。

プロアスリートとはざっくりいうと、「その競技で飯食ってる人」です。

個人、チーム競技に関わらず、プロアスリートはマネジメント会社と契約したり、所属チームがマネジメントを行う場合などがありますが、マネジメント会社がスポンサー探しやメディア対応をマネジメントして、競技に関する部分はチームや個人で・・・という事が多いです。

実業団などは基本的にそれらを所属チーム(=会社)が管理します。

プロアスリートとしての生活とそうじゃない場合について、色々お話したのでご覧いただけると幸いです。

(す:筆者  選:お話を聞かせてくれたありがたい選手)

す:もっと国内のアスリートもプロアスリートとして活動すればいいのにね・・
実業団とかでやってるのもったいないよ・・。

選:僕もそう思います。やはり「プロ」として自覚した生活をすることで、アスリート能力を高める生活が最優先されるので、競技成績も伸びますね。

す:でも反面やっぱりリスキーだよね・・。

選:そうですね。実業団でやっていた時は社員でもあるので、生活の安定という部分ではよかったのかもしれません。人によって異なるとは思いますが、基本的に選手生活を終えても会社には残れるので・・。

す:怪我とかで引退しても?

選:僕は大丈夫でした。ただ、周りから良く聞きますが、やはり、選手を引退してからその会社で業務をしていくというのは想像以上につらいそうです。
基本的に社会人経験がないまま・・・というケースも多いですし、その会社でこれからの人生を全うする・・となると全くの異世界なので、戸惑いや苦しみ、不安は多くあります。実業団チームを持つ会社は大きな会社が多いので、有名企業でその後の人生を送るという部分では魅力的な部分ではあると思いますが・・。

す:そうなんだ・・。

選:なので、実業団だから安心・・というのは個人的には浅はかかなと思います。
実際プロに転向して海外で生活をしていたころは、マネジメント会社が競技に関わる大小さまざまなお仕事を繋げて下さりいました。
そのおかげで今でも競技に携わることができていると思います。

また、これもチームによるとは思うのですが、実業団などの場合、自身が使う用具などを自分で決められないこともあります。しかしプロアスリートになると自分からメーカーさんなどにアプローチすることで、サポートを受けたり、スポンサーとなって頂ける場合があります。

す:え?自分で使う道具も決められないの?チームで買ってくれたりとかしないの?

選:チームが契約しているところ以外は原則使用禁止の場合が多いですね・・。
僕も学生時代に使っていたメーカーから所属先が契約しているメーカーに無理やり変更された経験もあります。

 

す:それってアスリートファーストじゃないね・・・

選:プロアスリートになると、幅広い選択肢の中から、自分で考え、選択をすることができますし、そのような行動を通じて様々な方々とつながりができると感じました。
ただ、競技によっては実業団の関係者が、競技団体の役員に名を連ねることが多く、
実業団に所属していないと大会の出場資格を出さない、日本代表の資格がないなどの弊害があると聞きます。プロアスリートとして活動することを面白く思わない方々が未だに多く存在していることも確かです

また、練習場所の確保など、プロとして活動するには大小問題は少なくありません。
私はチーム競技なので、プロとしてチームと契約しましたが、個人競技の場合、難しい部分もあるのかなと思います。

選:私は非実業団のトップランナーの方々と交流があるんだけど、ランナーは走る場所がまだたくさんあるからまだいいかもしれないけど、特殊な設備が必要な競技などは難しい部分もあるかもしれないね・・。競技人口が少ない競技ならなおさらね。

選:それでも僕は実力さえあればどんどんプロアスリートになるべきだと思います
実際すーさんのようにそういうアスリートをサポートしてくれる方はたくさんいるので・・。

そのような方々にいかに自分のメリットを伝え、共に歩んでいただけるか・・・。

逆にそれくらいのことができなければ世界で戦うことは難しいと思います。

完全な精神論ですが・・・。

す:既存のシステムから飛び出し、新たな世界にチャレンジするというのはとても勇気がいるもんね・・。

 

選:僕は個人的にあまり周りに管理されることが好きではないので、プロとしての活動は水が合うなと思います。もちろん不安がなかったわけではありません。でも、アスリートはもっと自分で動き、回りを巻き込むべきだと思います。

「誰かに何かをしてもらう」事がなければアスリートとしての生活は困難です。誰だって一人では生きていけません。それはプロもアマチュアも変わらないです。
問題は「自ら動いて誰かに何かをしてもらう」かどうかの違いだと思います。自分で考え、行動を起こす。そのうえで必要な部分はサポートをしてもらう。そして、サポートいただいた方、応援して下さる方、チームなどに結果として応える。

勝ち続けることも重要ですが、それ以外にも貢献できることはたくさんあるので、自身の目的を達成するためのあらゆる行動の一つ一つが、周囲の方々にメリットをもたらせられるように、自身でもサポートしてくださる方ともいろいろ考えます。

す:自身で選択したからこそ、責任も自身で追う・・けれどもそれで掴みとったものは喜びや感動も大きかっただろうね。

 

選:それは本当にそうだと思います。同じ方向を向いてサポートしてくださる方々と一緒に喜びを分かち合った瞬間は言葉では言い表せられないほどの感動がありました。

 

す:そうだろうね・・各競技でプロアスリートとして活躍する選手が増えるといいね。

選:アスリートならより高いレベルに身を置きたいと考えますよね?

実際にプロに転向したことで、日本よりレベルの高い海外のチームに入団することができました。
サッカーも野球も、国内のトップ選手は海外のより高いレベルにチャレンジしますよね?
サッカーだって今じゃ海外の強豪チームに多くの選手が移籍を果たして、日本代表も強くなりました・・。しかも強豪国だけではなく、日本でプロ経験のない選手もアジア各国をはじめ、日本より弱い国や、有名ではない海外クラブに所属しているんですよね?プロとしてかどうかはわかりませんが・・・。
そうすることで、世界中の良いエッセンスが間違いなく入って来るんですよ。そのことも国内における競技レベルを高めるにはとても重要です。
そうして国際舞台で「日本代表」が好成績を収めて、注目を浴び、競技人口が増え・・・という好循環に入るきっかけを作ります。
そういった意味でも特に国内トップレベルの若いアスリートは海外挑戦も含めどんどんチャレンジしてもらいたいなと思います。

現在は指導者として、後身の育成に携わりながらジュニア層の育成にも関わらせてもらっていますが、彼らがプロとしてチャンスを掴める環境を少しでも多く作っていけるようにしたいと考えています。

す:いろいろありがとう!



アスリートがより良い環境を自ら作り出す、そしてその選手に魅力を見出しサポートする。
その流れをスムーズに行うには今までのように実業団所属ではなく「プロ」に転向し、国内だけではなく、より高いレベルが海外にあるのならチャレンジする。より高いレベルが回外にあるのなら、実業団にいてはそのチャンスを逃してしまいます。

アスリートの「プロ化」。それはこれからの日本のスポーツ文化を高めるうえで、とても大きな要素になることは間違いありません。