チキンライス
クリスマスが近づくと、冬を彩る殺人的名曲ことキラーチューンが街に流れる。
マライア姉さん、広瀬姉さん全盛期に少年時代を過ごした俺はホームアローンのような街並みで、一度はクリスマスを過ごして見たいと思った。
そして時は流れ、反抗期全盛期にHEY!HEY!HEY!の企画で作られたのがチキンライス。
当時はGLAY兄さんどっぷりから徐々にハイスタ兄貴に心揺さぶられてた時だ。
そんなタイミングで、正直企画自体に日本の音楽シーンを舐めるなくらいに思ってたが、制作段階から若干のドキュメンタリー形式で作られており、その過程からすでに完成を楽しみにしてたことを思い出す。
3つ上の兄が5年生の時、兄の誕生日会が当時猛勢を奮っていたレッドロブスターで行われた。両親と4人で慎ましく行われた誕生日会。
俺は主役の兄を差し置いてエビフライとハンバーグのセット的なのとドリアを頼んだ。
当時うちは「裕福ではない」を大きく下回る「まぁまぁ貧相」な家庭で自宅にお菓子があることなどほぼなく、友達の家に遊びに行った時ジュースとお菓子が出されると「うちでは出してないのになんだか恥ずかいな、、」と思ったり、深川兄さん宜しく友達の家のカルピスの濃さにビビっていた。
そんな家庭事情とそもそも外食が好きではない親父の顔色をものともせずここぞとばかりに母親にオーダーを出した俺に親父はあまりいい顔をしなかったのを覚えてる。
「ドリアはみんなで分けようね。兄はどうする?」と聞いた母親に、その日の主役でもある兄貴は「俺はハンバーグだけでいいよ。エビ好きじゃないし。」と答えた。エビが好きではないのは事実だがそれは殻を剥くのがめんどくさいという理由で、エビフライは嫌いなわけない。ましてや「レッドロブスター」に来ててハンバーグでいいなんてあるわけない。んなことないか?
マサヒロベイビーは「誕生日なんだから好きなもん食えばいいのに、ハンバーグだけとか勿体ないなぁ。。」とか思ってたけど、チキンライスを聴いてから、「あのとき、真っ先にそこそこな注文をかました俺と一緒に自分もガッツいたら親父がもうこういうことをしてくれなくなるんじゃないか?」って思った兄貴が遠慮したのではないかと思うようになった。
別に兄貴を称えるつもりもないし親父の器が小さいとか言う話でもそんなつもりでもない。
俺もファミレスで粋がった注文した子供が食べきれずに残したら、てめえ!!って思う。
チキンライスを聴くと、自分の誕生日なのにバカな弟のせいで遠慮した5年生の兄貴の心情はどんなだったのだろうと思いを馳せる。
そもそもなんとも思ってないかも知れん。