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スポーツとか色々書きます

選手の努力は本当に実を結んでいるのか・・。

羽生選手が圧巻のスケーティングで金メダルを獲得し、

その後もスピードスケート陣の目覚ましい活躍などで連日盛り上がりを見せている平昌五輪。地元開催となった長野五輪のメダル総数をすでに上回っている。

しかし、日本国内において、とりわけ冬季種目のアスリートを取り巻く環境は依然として厳しい。

せっかく注目を浴びているにも関わらず、五輪フィーバーが落ち着いたら選手は強化費やスポーンサー費の減額に苦しむことになるだろう。

それでなくてもウィンター業界は長年不況不況とわめいている。
その結果、選手をサポートしてきたメーカーなどがどんどんそのサポートを弱めているという。

単純にウィンター業界の盛り上がりを知るには一般ユーザーのもっとも多い、スキー・スノーボード人口の推移をみることがわかりしやすいとして、レジャー白書を参考にする。

www.jpc-net.jp

スキー人口は年々減少傾向にあるが近年は下げ止まりを見せ始めて約330万人。
スノーボードも似たような状況で焼く250万人。
合わせると600万人近い愛好家がいることになる。
合計すると野球やテニスと変わらないほどの人口になる。

年代別参加率も40代、70代の愛好家が多いことから息が長いスポーツと言えるが、10代の参加率が決して高くないと言える。

いくらウィンター業界が衰退しているとはいえ、一定の牌はあることがわかる。

言ってしまえば、環境が大きく異なるとはいえ、愛好家の数では冬季五輪で現在最もメダルを獲得しているノルウェーの人口を超えるのだ。
ノルウェーの人口は約520万人。

ただ、スキーとスケート等を=で考えることはナンセンスなので、スピードスケート強国として知られているオランダについても関係者から聞くと、スピードスケートの発祥はオランダとされており、競技人口は約1万人とされている(日本は約2500人)。
ノルウェーなどの北欧の各国は山が多くスキーに触れ、オランダは平地のため、凍った川や湖でスケートを楽しむという文化が根付いているという。

ノルウェーもオランダ(人口約1700万人)も人口的な牌は少ないが、競技によっては圧倒的な強さを誇り、何より、スポーツ文化が発達している。
オランダでは大学と競技連盟が手を取り合い、技術開発の力を入れているという。

また、多くの選手がSNSを駆使し、様々な情報を発信している。
そしてメーカーやブランドが選手も含めて双方のブランド価値が高まるようにSNSマーケティングの専門家と発信内容や素材を選定しているという。

日本は人口や競技人口が競技結果に結び付けられていない。
それはウィンター業界の景気の悪さのせいだけにしていいのだろうか。

小平奈緒選手を支え続けた相沢病院の関わり方が美談とされているが、数少ないエンゼル投資家を指をくわえて待つのか。

選手が血のにじむような努力をしていることはわかる。
日本は毎回冬季五輪の度に一応の盛り上がりを見せるが、それは桜が咲くころには忘れ去られてしまう。

なでしこJAPANもワールドカップを制し、五輪で銀メダルに輝いてからは苦しい状況が続いている。
ラグビー日本代表もせっかく記録的な大金星を挙げたにも関わらず、日本開催のワールドカップが控えているにも関わらず、盛り上がりに欠けている印象を持つ人は少なくないはずだ。

国の景気に左右されてしまうのは仕方ないがそのせいにするのか、スポンサー企業のせいにするのか、協会のせいにするのか、業界のせいにするのか、選手のせいにするのか。
ウィンター業界を支える関係者、各競技連盟の関係者、選手自身が、常に周りのせいにするか周りを頼っているばかりにしか見えないケースがあまりにも多すぎる。

3者が手を取り、ウィンター業界の盛り上がり、注目を集めるために、従来の考え方だけではなく、選手自身が、競技連盟自体が、業界自体が、発信力を持ちマネタイズする方法を探すべきだ。
相沢病院のケースは確かに素晴らしいが、このようなケースが増えることももしかしたら必要だ。
しかし、それでは従来のケースと変わらない。
今は選手自身がもっと発信力を持ち注目を集めることができる。それをサポートする専門の会社もある。自身の知名度や夢、目標に賛同してくれてお金「だけ」を出してくれる人だけではなく、知識をくれる人とも付き合った方がいい。

水のない地域に、水をあげるのか、井戸の掘り方運用を教えるのか。

冬季五輪後、その差がはっきりと出てくるだろう。