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スポーツとか色々書きます

「プロアスリート」についてアスリートと話した。

非常に線引きがあやふやなプロアスリートという存在。

そもそも、プロアスリートってどういうことなのか?について、海外でのプロアスリート経験もあるとある選手とお話しできたので皆様にその内容を共有したいと思います。

そもそもアスリートは所属チーム、所属会社、マネジメント会社、などが選手を管理します。

実業団の選手なんかは基本的にサラリーマンです。
業務としてトレーニングや試合に参加します。

普段は仕事をして、チームでトップカテゴリーに参戦しているアスリートもいます。

プロアスリートとはざっくりいうと、「その競技で飯食ってる人」です。

個人、チーム競技に関わらず、プロアスリートはマネジメント会社と契約したり、所属チームがマネジメントを行う場合などがありますが、マネジメント会社がスポンサー探しやメディア対応をマネジメントして、競技に関する部分はチームや個人で・・・という事が多いです。

実業団などは基本的にそれらを所属チーム(=会社)が管理します。

プロアスリートとしての生活とそうじゃない場合について、色々お話したのでご覧いただけると幸いです。

(す:筆者  選:お話を聞かせてくれたありがたい選手)

す:もっと国内のアスリートもプロアスリートとして活動すればいいのにね・・
実業団とかでやってるのもったいないよ・・。

選:僕もそう思います。やはり「プロ」として自覚した生活をすることで、アスリート能力を高める生活が最優先されるので、競技成績も伸びますね。

す:でも反面やっぱりリスキーだよね・・。

選:そうですね。実業団でやっていた時は社員でもあるので、生活の安定という部分ではよかったのかもしれません。人によって異なるとは思いますが、基本的に選手生活を終えても会社には残れるので・・。

す:怪我とかで引退しても?

選:僕は大丈夫でした。ただ、周りから良く聞きますが、やはり、選手を引退してからその会社で業務をしていくというのは想像以上につらいそうです。
基本的に社会人経験がないまま・・・というケースも多いですし、その会社でこれからの人生を全うする・・となると全くの異世界なので、戸惑いや苦しみ、不安は多くあります。実業団チームを持つ会社は大きな会社が多いので、有名企業でその後の人生を送るという部分では魅力的な部分ではあると思いますが・・。

す:そうなんだ・・。

選:なので、実業団だから安心・・というのは個人的には浅はかかなと思います。
実際プロに転向して海外で生活をしていたころは、マネジメント会社が競技に関わる大小さまざまなお仕事を繋げて下さりいました。
そのおかげで今でも競技に携わることができていると思います。

また、これもチームによるとは思うのですが、実業団などの場合、自身が使う用具などを自分で決められないこともあります。しかしプロアスリートになると自分からメーカーさんなどにアプローチすることで、サポートを受けたり、スポンサーとなって頂ける場合があります。

す:え?自分で使う道具も決められないの?チームで買ってくれたりとかしないの?

選:チームが契約しているところ以外は原則使用禁止の場合が多いですね・・。
僕も学生時代に使っていたメーカーから所属先が契約しているメーカーに無理やり変更された経験もあります。

 

す:それってアスリートファーストじゃないね・・・

選:プロアスリートになると、幅広い選択肢の中から、自分で考え、選択をすることができますし、そのような行動を通じて様々な方々とつながりができると感じました。
ただ、競技によっては実業団の関係者が、競技団体の役員に名を連ねることが多く、
実業団に所属していないと大会の出場資格を出さない、日本代表の資格がないなどの弊害があると聞きます。プロアスリートとして活動することを面白く思わない方々が未だに多く存在していることも確かです

また、練習場所の確保など、プロとして活動するには大小問題は少なくありません。
私はチーム競技なので、プロとしてチームと契約しましたが、個人競技の場合、難しい部分もあるのかなと思います。

選:私は非実業団のトップランナーの方々と交流があるんだけど、ランナーは走る場所がまだたくさんあるからまだいいかもしれないけど、特殊な設備が必要な競技などは難しい部分もあるかもしれないね・・。競技人口が少ない競技ならなおさらね。

選:それでも僕は実力さえあればどんどんプロアスリートになるべきだと思います
実際すーさんのようにそういうアスリートをサポートしてくれる方はたくさんいるので・・。

そのような方々にいかに自分のメリットを伝え、共に歩んでいただけるか・・・。

逆にそれくらいのことができなければ世界で戦うことは難しいと思います。

完全な精神論ですが・・・。

す:既存のシステムから飛び出し、新たな世界にチャレンジするというのはとても勇気がいるもんね・・。

 

選:僕は個人的にあまり周りに管理されることが好きではないので、プロとしての活動は水が合うなと思います。もちろん不安がなかったわけではありません。でも、アスリートはもっと自分で動き、回りを巻き込むべきだと思います。

「誰かに何かをしてもらう」事がなければアスリートとしての生活は困難です。誰だって一人では生きていけません。それはプロもアマチュアも変わらないです。
問題は「自ら動いて誰かに何かをしてもらう」かどうかの違いだと思います。自分で考え、行動を起こす。そのうえで必要な部分はサポートをしてもらう。そして、サポートいただいた方、応援して下さる方、チームなどに結果として応える。

勝ち続けることも重要ですが、それ以外にも貢献できることはたくさんあるので、自身の目的を達成するためのあらゆる行動の一つ一つが、周囲の方々にメリットをもたらせられるように、自身でもサポートしてくださる方ともいろいろ考えます。

す:自身で選択したからこそ、責任も自身で追う・・けれどもそれで掴みとったものは喜びや感動も大きかっただろうね。

 

選:それは本当にそうだと思います。同じ方向を向いてサポートしてくださる方々と一緒に喜びを分かち合った瞬間は言葉では言い表せられないほどの感動がありました。

 

す:そうだろうね・・各競技でプロアスリートとして活躍する選手が増えるといいね。

選:アスリートならより高いレベルに身を置きたいと考えますよね?

実際にプロに転向したことで、日本よりレベルの高い海外のチームに入団することができました。
サッカーも野球も、国内のトップ選手は海外のより高いレベルにチャレンジしますよね?
サッカーだって今じゃ海外の強豪チームに多くの選手が移籍を果たして、日本代表も強くなりました・・。しかも強豪国だけではなく、日本でプロ経験のない選手もアジア各国をはじめ、日本より弱い国や、有名ではない海外クラブに所属しているんですよね?プロとしてかどうかはわかりませんが・・・。
そうすることで、世界中の良いエッセンスが間違いなく入って来るんですよ。そのことも国内における競技レベルを高めるにはとても重要です。
そうして国際舞台で「日本代表」が好成績を収めて、注目を浴び、競技人口が増え・・・という好循環に入るきっかけを作ります。
そういった意味でも特に国内トップレベルの若いアスリートは海外挑戦も含めどんどんチャレンジしてもらいたいなと思います。

現在は指導者として、後身の育成に携わりながらジュニア層の育成にも関わらせてもらっていますが、彼らがプロとしてチャンスを掴める環境を少しでも多く作っていけるようにしたいと考えています。

す:いろいろありがとう!



アスリートがより良い環境を自ら作り出す、そしてその選手に魅力を見出しサポートする。
その流れをスムーズに行うには今までのように実業団所属ではなく「プロ」に転向し、国内だけではなく、より高いレベルが海外にあるのならチャレンジする。より高いレベルが回外にあるのなら、実業団にいてはそのチャンスを逃してしまいます。

アスリートの「プロ化」。それはこれからの日本のスポーツ文化を高めるうえで、とても大きな要素になることは間違いありません。