THE BLOG

スポーツとか色々書きます

部活動についてアスリートに聞いてみた話。

部活動についてアスリートに聞いてみた話。こんにちは。

皆さん運動、文化問わず、部活動に多かれ少なかれ関わっていた人がほとんどだと思います。

 

良くも悪くも日本における教育機関の大きな特徴でもある部活動。

多くのアスリートも部活動を通してアスリート能力を高め、活躍することとなったので、その功績は大きいと言えるでしょう。

しかし、最近では部活の顧問の方への負担集中や、教育現場での指導方法などが問題視されるようになり、さらには下記のようなニュースまで取り沙汰されることになり、部活動の存在そのものが大きく揺らいできています。

www.j-cast.com

 

と、いう事で、部活動には所属せず、地域のクラブチームから五輪に出場するまでに至ったある種目の選手(※A)と、地域のクラブチーム、部活動、両方に所属経験のある五輪出場アスリート(※B)から、部活動について話を聞くことができたので、その内容を皆様にお伝えいたします。

  1. クラブチームなど学校以外でのスポーツ機関と比較した、学校での部活動について思いつくメリット、デメリットを教えてください
    A学校の部活動には所属したことがないので個人的な意見になってしまいますが、親の負担が少ないことが大きなメリットだと言えると思います。
    どうしてもクラブチームだとチームの運営をしていかなければならいので、月会費、遠征費、用具類・・・負担は部活動に比べて大きいと聞きます。
    部活動は学校の活動という側面もあるので、部費で賄ってくれる部分もあるので、そう言った意味では親には本当に感謝しています。

    また、普段は学校の敷地内でできるので、練習のための移動時間やそこでも交通費など金銭的な負担の差も大きいと思います。

    デメリットとしては、クラブチームは経験豊富な指導者がいることと、部活動では必ずしも見識のある指導者に恵まれない可能性があるという事でしょうか。
    また、専用のトレーニング機器などの普及もクラブチームに比べると遅れていると感じます。クラブチームは環境や指導者や活動を知り、選ぶことができますが、部活動では一部の特待生などを除き、限られた選択肢の中から選ばなくてはならないというのはデメリットだと思います。

    B基本的にはAさんと同じ意見です。部活では顧問の先生の裁量で指導レベルに大きく差がついてしまいます。結果、特に中学レベルまでの若年層において優れた能力を持つ学生の才能を開花させることなく終えてしまっていることも少なくないと思います。その後大きく成長していたかもしれない生徒がもし、経験豊富な先生やクラブチームの指導者と巡り会っていたら・・・と思うこともしばしばあります。
    しかし、高校や大学レベルになれば、強豪校はクラブチームをも凌駕する環境でトレーニングに励むことができることもまた事実です。
    私は中学までクラブチーム、高校では強豪と呼ばれる高校に進学しましたが、設備など、環境はクラブチームよりもはるかに整っていると感じました。
    このように、スポーツにエネルギーを注ぎ、学校の知名度を上げることで、経営を成り立たせる学校も以前はサッカーや野球、などのメジャースポーツが目立っていましたが、各競技に広がってきていると感じます。

    部活がなくなってしまうと、その時点では能力が高くないけれど、競技にチャレンジしたい!という子供が頑張る機会を失ってしまうと思います。
    基本的にチャンスが公平にあるのが部活動の良い部分であると思います。

    ◎部活動のメリット
    ・クラブチームに比べると経済的な負担が少ない(用具、移動なども含め)
    ・強豪校に行けば、恵まれた環境で競技に打ち込むこともできる
    ・誰にでも競技を始めるチャンスがある

    ◎部活動のデメリット
    ・指導者レベルにばらつきがある(特に中学まで)

  2. 中学の部活「生徒の声出しうるさい」 住民の苦情に運動部は無言で練習(上述のリンク)問題についてはどう思いますか?

    A:非常に残念に思いますが、近隣住民の方全員にご理解をいただくというのも物理的には難しいと思います。部活動以外にも小学校や幼稚園などの活動で苦情を言う方もいると聞いています。
    少しでも理解を得られるように、近隣の方々にご理解をいただく活動も必要なのかなと思います。
    私のチームでは地域のお祭りや小学校のバザーなどで出店やゴミ拾い等を行っており、地域の方々との交流も多かったこともあり、町全体でチームの活動を応援してくれていた雰囲気がありました。
    ただ、部活動でも同じ活動をやれというのは無理な話だという事も分かります。まず、学校単位で動かなければならないですしね・・。

    どのスポーツもトレーニング環境は限られていると思うのでそういった意味で希望者全員に平等にチャンスを与える学校単位での部活動というのは難しくなっているのかもしれませんね。

    B:実際に私たちの中学では朝練は禁止でした。これは近隣の方の苦情ではなく保護者からの苦情で、共働きのため、ただでさえ朝が早いのに、朝練が必須になると親も大変だと。結果、朝ご飯を食べずに朝練に参加する生徒が出てきてしまいました。そうしたことなどから健康的な側面からも判断して学校側は朝練禁止という事になりました。

    都会ではなかったので、学校周りの住民の方がそれほど多いわけではなく、何年もそこに住み続けていらっしゃる方々だったので、放課後の活動で何か苦情があるという事はなかったと思いますが、都会であれば学校のすぐ近くで生活する方も多いと思います。そのような方たちに配慮する必要もあると思いますし、学校近くに住む方々も多少は受け入れてもらいたいかなという気持ちもありますね。
    双方が少しずつ譲歩、理解することができればいいと思います。

    ただ、必要以上に声出しをする重要性もわかりませんし、ロードワークで並んで掛け声をしながら…というのがトレーニング効率が高いか疑問です。


  3. ぶっちゃけ部活って必要?より良くするにはどうしたらいいと思う?

    A:僕は部活をしたことがないのですが、端から見ると学生時代の大会ってほとんどが中体連、高体連主催のものが多いじゃないですか。学校で表彰されたり、テレビとか出ていいなーって思いますよ。単純に部活があった方がいいかない方がいいかで言えば、あった方がいいと思います。

    ただ、教師の負担増・・・みたいなニュースを聞くと、部活の顧問、責任者は学校の先生で、指導は外部から経験者を招き入れればいいのになと思います。
    もちろんその分、今よりも部活動を行う上で負担が増える部分やルールを作らなければならないとは思いますが、部活動のおかげで、競技人口の拡大につながっていることは確かなので、指導者として十分なレベルにある経験者ってきっと多いと思うんですよ。
    各競技ごとに指導者ライセンスを明確に区分けして行政や自治体と協力することができればより多くの生徒に、しっかりした指導が行きわたるのではないかなと思います。
    学校って最低限のスペースと器具はあるじゃないですか?
    もっと人材も設備も有効活用して、よりよいスポーツ環境はまだまだ作っていけると思います。

    B部活動経験者としてこんなこと言うのもどうかと思うんですが、無理に部活ってシステムを続けなくてもいいと思います。というか学校単位でやらなくてもいいと思います。
    地域の学校群単位でもいいのかなと。
    ○○区第一中学には野球をやりたい生徒が放課後、第二中~第五中含め集まってくる、それが一つのチームとして活動。サッカーは第二中に第一~第五中までが集まる・・・みたいな。わかりますかね・・。それで一定の地域ごとに大会を行うみたいな?○○市第1地区対○○市第2地区みたいな。
    え?これ結構よくないですか??
    でも野球とかサッカーとかラグビーなどの団体競技は大変ですね。まぁ、競技によって集合体の幅を分ければいいのかな・・。いずれにしてもこれも一つの案です。

    集合体にすることでもちろん所属人数も増えるので1軍やスタメンで活躍する選手の割合は減りますが、スポーツは最終的に結果を競うものなので、教育の一環とは言え、そこはシビアでいいと思います。
    最近では教育の現場で運動会とかで順位をつけないとかになっているみたいですが、こと部活でスポーツを選んだ以上,そこは競争社会だと認識するべきだと思います。また、きれいごとかもしれませんが、1軍やスタメンで活躍することができなくても、高いレベルを目指して努力するという事はたとえ報われなくても大きな経験になると思います。

 

と、いう事で、トップアスリートからいろいろとお話を伺いましたが皆様はどう思うでしょうか。

「部活」というシステムが残した功績は非常に大きいことは確かです。
しかし、もうすでにそのシステムには多くの問題が山積みされているのが現状です。

その問題を教師、保護者、生徒が負担することで、カーテンに包んでいるのではないでしょうか。

そして、何より問題なのは一部に「俺のころはもっとひどかった」、「あのころに比べれば今なんて全然マシ」などという、全く持ってナンセンスな考えを、子供に比べエネルギーを持つ大人が押しつけ、変革を邪魔している。という事だと思います。

より良い環境で若年層がスポーツに取り組むことが、スポーツ文化のさらなる発展に繋がり、豊かな人間性を育むパワーとなると考えます。

その為にも、今のままではよくない事がわかっている以上、よりよい環境作りに向かうべきではないでしょうか。