モーグルの選手といろいろお話した話
先日、モーグル日本代表の星野純子選手がいらっしゃいました。
ソチオリンピックにも出場したトップアスリートです。
モーグルってなんとなく皆さんもご存知かと思います。
急斜面のこぶこぶコースを滑り、途中に「エア」と呼ばれるジャンプもあり、
そのスピード、技の正確性などを競うものです。
1998年の長野オリンピックで里谷多英選手が金メダルを獲得し、
上村愛子選手はその長野五輪で一躍人気アスリートの仲間入りをするなど、
国内でも知名度は高く、世界でも強豪国の一つとしてあげられています。
そんなモーグル日本代表が先日、弊社ショールームにお越しくださいました。
美人アスリートとしても名の知られている星野純子選手は昨シーズンの大けがから実戦復帰を目前に控えていました。
モーグル界の現状や未来、オリンピックに出場するまでの今後の取り組みなど多岐にわたりお話しすることができてとてもいい時間を過ごすことができました。
そこでいろいろなお話をして感じたことをつらつらと書き記したいと思います。
ちなみに2018年は冬季五輪が各国・平昌で開催されるので、
今シーズンの戦いが非常に重要になります。
モーグル含め五輪競技の多くは「国別出場枠」があります。
ワールドカップなどの対象となる試合の成績で国別に順位がつけられ、
その順位に応じて国別の出場枠が変動します。
世界ランクの低い国は一人も出場できなかったり、一人しか出れなかったり、
逆に強豪国は複数人の出場が認められます。
なので、個人競技とは言え、ナショナルチーム全員で国別のポイントを獲得し、
一人でも多くの選手が五輪に出れるように一丸となって戦うのです。
少しでも多くの選手が大舞台に立てる機会があれば、競技の認知度も上がるし、
「五輪に出場する」という事は非常に大きな影響があります。
しかし反対に出場できないとなるとそのダメージは想像以上に大きいです。
どういうダメージかというと、強化費の削減が代表的です。
今回お越しいただいた星野純子選手の競技。モーグル(フリースタイルにカテゴライズされています)が加盟しているスキー連盟を例にしましょう。
スキー連盟には以下6つの競技団体を統括管理しています。
この6団体はもちろん競技によって、世界での成績は様々で、ジャンプやスノーボードは世界的な強豪国として知られていますが、アルペンやクロスカントリーは世界の舞台ではなかなか結果が出せずにいます。
そうなると、強化費の振り分けは必然的に結果を出している競技と、
結果を出していない競技では大きな差が生まれてきてしまいます。
それ自体は仕方のない部分だと思うのですが、
弱いからと言ってお金を出さないとなると、どのような現象が起きるのか。
■強化合宿や海外遠征などができない
お金がないんだから当たり前と言っては当たり前ですね。
その結果、国内はおろか海外のトップレベルの選手たちと切磋琢磨する機会が減少して世界との差は広がる一方です。
■ジュニア世代の育成に手が回らない
お金がないんだから当たり前と言っては当たり前ですね。
その結果、せっかく恵まれた才能を持っていても、サポートがいきわたらず、
せっかくの才能を開花させることなく競技をやめてしまう選手が増えてしまいます。
■選手への負担増
お金がないんだから当たり前と言っては当たり前ですね。
その結果、とくに冬季競技は練習環境が限られていたり、
道具にお金のかかる競技が多く、
競技生活を断念せざるを得ない選手が続出してしまいます。
➡結果、更に弱体化して、更に強化費が減る負のスパイラルに陥るのです。
それなのに、アルペンスキーなどは国内で自分たちが定めた「五輪派遣基準」(夏季五輪などでも多くの競技が設定している謎の基準)に達していないとして、せっかく持っている貴重な「国別出場枠」を。活用しなかったりもします。
選手を派遣しない理由として、下記言い分をよく耳にします。
■五輪は出場するだけでなく結果を求める
■勝つために選手を派遣する
■予算の問題もある
なんとなく言っていることはわかりますが、五輪に出場することで国内トップ選手が世界のトップ選手から直接吸収できることはたくさんあり、成長の大きな糧となります。
その影響を五輪に出場できなかった他の選手が刺激として受けて、
国内レベルの向上につながるのです。
なので、出場できるチャンスは絶対に生かした方がいいに決まってます。
けれど、ああそうか、予算の問題でね・・。ただの思いで作りじゃねーんだよと・・。わかります。わかるけどじゃあ開会式や閉会式で見る選手がエコノミーで往復してる中、ビジネスで往復してるおっさん達(世界で唯一、出場選手より同行した競技役員の方が多い珍しい国が日本です。)はなんだありゃ・・。
ってなります。
あのおっさん一人減らして選手連れて行った方がはるかに有益なんですけど・・・。
と、まぁネガティブなことを考えたりもしますが、
星野純子選手のようなアスリートが、
少しでもいい環境で競技に取り組めるようになるといいな・・と。
そのためにサポート側もやれることはたくさんあり、
アスリート側もやれることはたくさんある。
まずは競技の魅力を知ってもらう事から!!という事で、
そんな星野純子選手も出場予定のモーグルワールドカップ日本ラウンドが2/18~19に田沢湖で行われます!
J-SPORTS系列でのTV放送もあります!!
www.jsports.co.jp
スピードとテクニックを競う非常にエキサイティングな競技です!!
ぜひご覧ください!!
アスリートサポートの一端を担いながら、情報発信=売上??
今週はソチ五輪代表で現在も日本を代表して活動している選手と打合せがあります。
僕らの業界では(その競技では)有名な選手と会うことはさほど珍しくないというか、日常茶飯事ですが、ここまで多くの選手のサポートをこの規模の会社でほぼ僕一人で続けるというのは、他社ではあまり見ないスタイルかもしれません。
現在弊社では公式、非公式合わせて200人ほどの(その競技における)国内トップレベルの選手のサポートをしていますが、もちろんシーズンなどもあるので毎日200人を相手にしているわけではないです。
なので、イメージしていたより忙しくはないというのが正直なところです。と、言うより忙しくならないために社内、個人問わずシステムやツール整備をしました。
選手とのやり取りは基本的にFacebookのメッセンジャーとLINEです。なのでPC,スマホは常にメッセンジャーとLINEが開きっぱなしです。
選手が発信した情報や、競技に関するニュースは把握しておきたいので会社アカウントのFacebookやTwitter、インスタも常にチェックしています。
練習や試合前、試合後に様々な形式とは言え、
定期的に気軽に連絡をするようにしています。
それだけで、多くのアスリートとコンタクトをとることができ、
「○○日空いてるのでショールームに行っていいですか??」
となります。
で、今週はもう一人ボクシングの選手、フェンシングの選手とも会うので、1週間で4人の日本代表級アスリートと会うことになります。
端から見てたら、ただスマホとPCをカチャカチャしてるだけのおっさんです。
でもそれがすごく効果的なアクションにつながります。
※あくまで鈴木個人の話です
昨日、ふとYouTubeを見ていたら、三浦知良選手が青学駅伝部から肩甲骨ストレッチを取り入れていた事がわかりました。※肩甲骨ストレッチに関する内容は6:30頃から
で、僕が運営責任者を兼任していて、先日運営メンバーインターンを募集したランニング情報サイト「RUN-LINE」でも肩甲骨ストレッチの重要性を再三に渡り唱えており、効果的なアイテムの販売も行っています(ランイベントなどで紹介すると購入率40%を超えるモンスター商品なのに一般的にはあまり売れてないみたい・・・)。
大体、1回記事を上げると10前後ほどの注文が来ます。
※効果的なニュースとのリンクが欠かせないけど。
僕はウェブマーケティングやデジタルマーケティングに関しては素人なのでもっともっと効果的なやり方もあるんでしょうが・・・。
家でごろごろしてる間に興味のある三浦知良選手の動画を見ていたら売り上げにつなげられちゃうんですね(少額だけど)。
そんでこの記事を上げた直後、この記事を見たサッカーとは全く関係のない競技の選手から、肩甲骨ストレッチに関する質問が来たので、「このおすすめアイテム(モビバン)ちゃんと説明してあげるから○○日ショールームおいでよ。」となり、また一人来週会うことが決まりました。
地道にSEVスポーツ、RUN-LINEのブランド力とコンテンツ力を高め続けた結果だと認識しています。
有益な情報はみんな知りたいけど、情報がありすぎて何から手を付けていいのかわからず、こちら側も何から伝えればいいのかわからないいまま時は流れる・・・いわゆるラブストーリーは突然に状態になってしまうんですね。
情報を厳選するには一定量の情報を入れることが第一歩ですが、その分野のリテラシーを高めることで、入ってくる情報の取捨選択までのスピードが上がります。
それをセンスや経験というのかもしれませんが、そこに関してはまだ確証を持てていません。
ただ、この流れをさらにスムーズに、且つハイレベルに量も増やしていくステージになり、一定レベルでの引継ぎやベースとなるフロウもできてきたので、一緒にスポーツ界を盛り上げる新たな世代を募集しています。
※今回はインターンのみとなります。
ぜひ身近にスポーツビジネスに興味のあるような学生がいたら紹介してください!
鈴木厳選のお好みに合わせたラーメンをご馳走します。
※一応まだオフィシャルにページ等は出していないので、
いい方がいたら個別に連絡ください!
続・アスリートの責任
先日お伝えしたスノーボード強化指定選手の活動停止の続報があった。
調査の結果、複数人の活動再開を認めるとのニュースが昨夜あり、
親交のある選手からは、活動再開が認められました。ご心配をおかけして申し訳ない。との連絡があった。
心配はしたが、謝ることではないよなと思いつつ、お互い前向きな言葉で締めた。
その後何人かの選手からも同様の連絡をもらった。
しかし、ある競技の選手はぶっつけで12月に行われるワールドカップ開幕戦、第2戦に挑戦しようとも思ったが、登録や移動、など物理的な事情でやはり断念したとのことだった。
正直無念で、悔しい、当事者は計り知れないくらい悔しい思いをしただろう。
その中で選手たちは本当に前向きに取り組んでいる。
心底リスペクトする。
前回も書いたが、何も辞職する事だけが責任の取り方ではないと思っている。
が、この選手たちの憤りは選手たち自身でしか拭いきれないのかと思うと本当に心が痛い。
ただ言えることは、連盟の偉そうなおっさんたちが辞めようがそれだけでは彼らにとってマイナスでしかないという事だ。
超縦社会がはびこる日本スポーツ界において、派閥における縦社会が全てだ。
そしてできれば誰も責任も取りたくないから、アクションも決断もしない。
まるで無能ばかりが集まる役所そのものだ。
多くの競技の連盟が実際そんな状況だ。
唯一の希望は偉そうなおっさんたちが辞めた場合、このような事態が起きないように選手を支える組織づくりを目指している熱意のある人材がスキー界にはいるという事だ。
例えばアルペンスキーで世界と戦い続けた、皆川健太郎さんや、その奥様でもおられる、モーグル界を長年引っ張ってきた上村愛子さん、長野オリンピックで日本中を感動させた日の丸飛行隊の面々。
現役の選手からも、引退後は選手を支える環境つくりに専念するつもりだと意思を表示している声を良く聞く。
ただ、現状は彼らのような実績も人望も行動力もある人材がいるにも関わらず、既得権に浸かり、今回のような事態を引き起こした老害(とはっきり言おう)がのさばっているのだ。
これは何もスキー界だけではなく多くのスポーツ協会、連盟で起きているのだ。
日本スポーツ界の闇は深い。
しかしその老害たちを見て育った選手たちが立場を変え、
スポーツ界を明るく照らす未来もそう遠くはないと信じている。
そうでもなきゃこんな環境で必死になってきた元選手や現役選手が報われない。
アスリートの責任
先週末とんでもないニュースがウィンタースポーツ業界に飛び込んできた。
スノーボード 不祥事ですべての強化指定選手の活動停止 | NHKニュース
未成年のスノーボード強化指定選手が相次いで大麻、喫煙、飲酒などの不祥事を起こした事で、第三者委員会の調査を始め、他の選手もそれら不祥事に関わっていたとして、全日本スキー連盟はスノーボード部の全強化指定選手(現状の日本代表)の活動を停止することを決めた。
身の潔白が証明できれば、改めてワールドカップなどへの参加や合宿、遠征に参加できるらしい。
詳しくは上記URLをご覧いただくとして、率直な意見はふざけるな。だ。
全日本スキー連盟スノーボード部にはハーフパイプ、アルペン、スノーボードクロスの3競技があり、仕事上関わりのある各強化指定選手から、急遽今シーズンのスケジュールが大きく変更されたこと、ワールドカップを戦えない不安、不満、憤りの報告メール、連絡をいただいた。
スキー連盟の偉い人たちは、選手の不祥事や更生を含め自分たちに責任がある。
と、明言している。
私の個人的見解だが、ここで、トップなどが辞職することは今後な調査、二次発生の抑制などに時間がかかるため、今すぐ辞職しろとは思わない。が、今回の件をしっかり解決させ、このようなことが起こらないよう最大限の努力をした後、辞職をもって今回の責任を取るべきではないだろうか。
なぜ、関係のない(とは言い切れない部分ももちろんあるが)選手が貴重なシーズンを棒に振りかねないことになるのか。
全くもって意味がわからない。
強化指定選手を選んだのは一定のルールに基づいているとは言え、連盟側だ。
なのに選手の活動を制限することである種の社会的制裁を加えつつ、身の潔白が証明できるまで活動はさせないと。
なんだそりゃ?
オリンピックは2018年の初頭だ。
2017年の活動が非常に重要になる。
浅はかな行動をした該当の選手、関与した人間は重い反省が必要だと思うが、他の選手にまでその影響が及んでしまう必要があるのだろうか?
それとも、それだけ広く問題が蔓延していることからくる危機感なのだろうか?
何れにしても今回の判断、対応は選手にとって最悪の事態と言えることは間違いない。
こんな事しているスポーツに今のところ明るい未来はない。
しかし、一連の不祥事を起こした団体の上層部は今の所、責任を取るつもりも見えない。
その全てを選手に被せた判断、対応、それによる甚大な損失の責任を取るつもりも無さそうだ。
信用、信頼、成績を取り戻すのは結局のところ今回一番の被害者とも言える関係のない(と、言い切れない部分ももちろんあるが)選手達だ。
それでも個人的に連絡をくれた選手達は皆一様に前を向いている。
少なくとも12月に行われるワールドカップ2戦には出れない見通しだと言う。
貴重な世界トップレベルでの戦いの舞台を奪われたにもかかわらず、受け止め、それでも結果を出してオリンピックに1人でも多くの選手が出場し、今回迷惑や心配を掛けたみんなに少しでも何かを返せたら、、、と言う。
これが私たちができる精一杯のことですと。
スキー連盟のおっさん達の言動と比べて欲しい。
こんな選手達だから俺は応援したい。
アスリートとして飯を食うという事
また一人の将来有望なアスリートが、既存のシステムから先の世界へと歩みを進めることとなりました。
有名スポーツメーカーの契約アスリートという立場を捨て、プロアスリートになるそうです。
個人的にはこのチャレンジをすごく賞賛したいです。
リオ五輪の100m×4で銀メダルを獲得した実績と、将来性から、大きなアクシデントさえなければ東京五輪まではスポンサー収入が途切れることはないでしょう。
しかし、契約アスリートとして、世界的有名企業の一員として生き続ける方が、人生の安定面からいえばメリットはあるかもしれません。
しかし、自身の市場価値が高く、これからさらに上昇するときにより高い報酬を獲得しに行くというのは決して「お金」目的ではなく、優れた挑戦なのではないでしょうか。
実際、契約アスリートとしてでも、プロアスリートとしてでも、大きなけがなどの不慮のアクシデントが起こってしまったら祖の立場が大きく揺らぐことは否めません。
より広い社会を知り、自身で今後接していくスポンサーを見つけに行く(チームとしても含め)ことは選手としてトップカテゴリーで活躍することがなくなったとしても非常に役に立ちます。
かたや、世界のトップレベルで戦い結果を出し続けているアスリートですら、競技や種目によっては厳しい生活を送っています。
もちろん、簡単な道ではないですが、その覚悟を見て、さらに多くの賛同者や支援者が集まるのも事実です。
日本のトップアスリートにはどんどん「プロ化」に挑戦してもらいたいと思うと同時に、そんなプロアスリートをサポートしやすい環境をどんどん作っていきたいと強く思います!!
アスリートをサポートする取り組みは?それはアスリートのためになっている?
散々、アスリートはもっと自ら生活力を身に着けるべきだ!!
と言っていましたが、海外で生活するとなるともちろんサポートは必要です。
むしろコンテンツ力を高めることで、サポートを受けやすいアスリートになっていくべきであると考えています。
では実際にアスリートが高い志を持って、どんなサポートを受けることができるのかと思ったときに享受できるサポート体制について考えたいと思います。
まず代表的なものはNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)、JISS(国立スポーツ科学センター)ですね。JISS、NTCは隣接しており、日本オリンピック委員会に登録している競技団体の強化指定選手が主に利用資格を持っています。
医学的な研究、リハビリ、強化など、あらゆる面で国内最先端の要素が詰まっており、多くのトップアスリートが拠点に利用しています。
練習場やトレーニング施設、宿泊施設、食事とすべてが無料というわけではないですが、選手の負担は決して多くはありません。
別の側面で言うとアスナビも多くのアスリートを支えています。
企業とアスリートを繋げることを目的としてJOC(日本オリンピック委員会)が始めました。
簡単に言えばアスリートの就職支援ですね。
なので、プロアスリートを生むわけではないですが、賛同する多くの企業が、アスリートの意向を理解し、アスリート活動を優先した勤務内容を提示しているとアスナビで就職したアスリートからよく話を伺います。
代表的な部分で言うとこの2点があげられます。
もちろんまだまだありますが、機能性、享受率の観点からいうと、その他の取り組みが大きな成果を上げているかと言えば、上記2点に比べれば疑問点が多いのが現状です。
しかし、アスナビに関していうと、スポンサーとは違い、あくまで社員という事、また、プロモーションはと言えばせいぜい自社のCMに出演するくらいなので、アスリートが「安心」こそすれど、より強く!よりよい環境を!という意思はなくなっていくように見えます。
日本は昔から企業、実業団スポーツがメインとなっていたため、どうしてもプロアスリートというと、お金のイメージがちらつき、決してクリーンに見えるとは言い難い雰囲気がありますが、スポーツが文化として発展していくには、アスリートがより良い環境で、より高いレベルを目指していく活動が必要になっていると感じます。
また、各競技の協会や連盟などが、それぞれ多くの実戦の場を作り、コンテンツ力を高め企業の賛同を得ることで、賞金を設定し、アスリートが賞金を獲得し、企業への認知度を高める活動をしなければならないと思います。
スポーツの現場にいながらも、「来週○○の日本選手権だよ?」とか、「今月○○のジャパンカップだね。」なんて言われることが多々あります。
私の情報収集力の低さも原因ではありますが、慌てて調べても、欲しい情報、サイトに行きつかないなんてことはざらです。
ましてやそれがオリンピック競技の日本1位を決める大会であってもです。
つまり、協会、選手それぞれが自立した運営、生活ができていないことが多く、いくら、トレーニング施設を充実させても(他のスポーツ先進国に比べたらはるかに少ないですが、、)、就職支援をしても、根本的な土台ができていないように思います。
企業に就職するのではなく、アスリートがアスリートとしての生活をアスリートとして送ることができる環境づくりこそが重要なのではないでしょうか。
一般企業がアスリートを一人雇用する際にかかる費用を大会の運営費と賞金に充てることができたら。。。
魅力ある大会にして、露出を増やして、コンテンツ力を高めて、アスリートには賞金獲得のチャンスと実戦の経験を増やす・・・。
マラソンはある程度機能しているように思いますが、収益は参加者から取っていますからね。まぁそれもありです。
卓球の選手や、バドミントン、レスリングの選手がリオ五輪ご、かなりメディアに登場していますが、来月○○の試合があります!ぜひ応援してください!とかっていう選手を見たことないし、かなりウェブをチェックしているけど、各競技の試合情報などが流れてくることはほとんどありません。
あれだけの社外現象を起こしたラグビー界もいまや・・・って感じですよね。
もっともっと協会、選手が協力して自分たちのコンテンツ力を高めていかなければなりません!
逸材はなぜ海外へ行くのか。
先日、日本サッカー界の至宝ともいえる久保建英君がJ3でデビューしましたね。
チームメートもサッカー誌にて言っていましたが、賛否両論巻き起こりました。
18歳になったらまたバルセロナの下部組織に戻るなんて話も以前からあります。
そんなところ、短距離界の至宝の進路に関するニュースが飛び込んできました。
実際にどうなるかまだ未確定ですが、なぜ日本スポーツ界の逸材は海外へ進路を向けるのでしょうか。
それは日本の進路、進学先の環境が、世界のトップレベルに追い付いていないからだとよく言われます。
各国、各競技において、若年層から、質の高いトレーニング環境で、各国から選抜されたアスリートが共同生活などを送りながら切磋琢磨していく環境があります。
サッカーでは先述した久保選手が所属していたバルセロナの下部組織などが有名ですが、自転車ではスイス・エーグルを本拠地とするUCI(世界自転車競技連盟)が運営する最先端の自転車選手養成施設「ワールドサイクリングセンター(WCC)」があります。
WCCは優秀なコーチ陣や設備を備え、世界最先端のトレーニング技術を採用していると言われています。
WCCの目的は、自転車競技がまだ発展していない国々の有望選手を集め、欧州トッププロ界への道筋を作ることにあり、欧州のトップクラスアマチュアレース(ネーションズカップ等)を主戦場としています。
リオオリンピックBMX日本代表の長迫吉拓選手も活躍が認められ、2012年からWCCをトレーニングの拠点として活躍を続けていました。
また、陸上界でも米国にNikeオレゴンプロジェクトがあり、早稲田大学在籍時に箱根駅伝で注目を浴びた大迫傑選手が所属するほか、陸上界のスーパースターが多数所属しています
Nikeとスポンサー契約を結んでいることが条件ではありますが、オレゴンプロジェクトのお眼鏡にかなえば中距離専門ではありますが、世界トップレベルの選手たちとトップレベルの環境でトレーニングをすることができます。
また、欧米では賞金のかかったレースや公式戦などが頻繁に行われており、日本国内に比べて緊張感のある試合経験を多く積むことができるなどのメリットもあります。
どうしても日本国内にいると、学生の間は学生のカテゴリーでの試合が中心となってしまうので、よほどの事がない限り、同世代以外との実戦経験を積むことはできないのが現状です。
私は仕事上、各競技の国内レースを観戦することがあり、自転車や陸上などの大会において優勝した選手と話をする機会があります。
その優勝した多くの選手が「調子の上がらない中で、○○選手に先行されたけど○○選手は明らかに飛ばしすぎていた。後半垂れてくることがわかっていたので、落ち着いたレース運びができた。」などの話をしてくれます➡つまり、本調子ではなくても、国内のトップクラスの大会であるにも関わらずライバルの特徴もわかっているから勝てた。という事です。
その結果、世界大会に出て、見知らぬ選手との戦い、雰囲気などに飲まれ本来の力を発揮することなく終わってしまった・・・などの声を良く聞きます。
そうして危機感を持った選手は、「どんな状況でも実践の中で五感を働かせ、タフな環境下でもピーキングを掴み、たとえ調子が悪くても最後の勝負にもっていく感覚を世界レベルの中で研ぎ澄ますことの重要性」を知ります。
しかし、海外でアスリート生活を送ることは国内でアスリート生活を続けることよりはるかに困難です。
自分の実力のみで勝負していかなければならないからです(多少の人脈はあれど)。
この冬、日本バレーボール界の最高傑作と言われている石川祐希選手が海を渡り、短期ですが、世界最高峰のイタリアセリエAに2度目の挑戦をします。
大学生ながら日本代表のエースとして世界を体験した石川選手は、大学ではもはや止められる選手はいないレベルになっていることは明らかです。
そんな石川選手がイタリアでどんな成長を遂げるのか。
国内で競技を続けることは世界で戦うにはもはやハンデ以外の何物でもありません。
その競技で飛びぬけた存在でなくても、もっと挑戦を続けるべきで、その挑戦を支える体制作りが遅れているのが日本のスポーツ界でもあります。
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極めて険しいアスリートライフですが、このようなアスリートをサポートする体制を日本国内でどんどん作っていくことも重要です。
アスリートだけではなくスポーツ界全体で危機感を持って取り組んでいかなければならない問題です。
という事で、日本スポーツ界が取り組んでいるアスリートサポートの実情について次回は書いていきたいと思います。